今回のコラムは結構長い気がしますが、アイルランド留学を検討する際、多くの方が必ずチェックする語学学校の「国籍率」についてです。
「日本人が少ない学校がいい」「ヨーロッパからの留学生が多い学校に行きたい」といった希望を持つ方は非常に多いです。語学学校が案内している「国籍率」だけを見て学校を選んでしまうと、現地に着いてから「思っていた雰囲気と違う…」というミスマッチが起こりがちです。
なぜなら、学校のリアルな雰囲気や学習環境を決定づけるのは、単純な「生徒の人数」ではなく、「その国籍の生徒たちが平均して何週間滞在しているのか(滞在週数)」、そして「その学校の学費や授業時間数によって集まる留学生の『目的(本気度・出稼ぎ・ホリデー)』がどう異なるのか」という点も考慮する必要があります。
本コラムでは、アイルランド専門の現地留学エージェントがアイルランド留学における国籍率のデータ分析から、語学学校ごとのターゲット層の違い、ビザ制度がもたらす留学生のリアルな事情までを徹底的に解説していきます。
大陸別の「留学生数」と「滞在週数」のリアル
まずは、アイルランドのおける全体の国籍率についてです。世界を7つのエリア(ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア、ラテンアメリカ、オセアニア、北米)に分けた際のアイルランドにおける留学生のデータは下記の通りです。
| 大陸 | 留学生数の国籍率 | 平均通学週間 | 滞在週数の国籍率 |
|---|---|---|---|
| ヨーロッパ | 46% | 2.1週間 | 13% |
| アフリカ | 1% | 15.5週間 | 1% |
| 中東 | 3% | 8.3週間 | 3% |
| アジア | 12% | 10.2週間 | 16% |
| ラテンアメリカ | 38% | 14週間 | 67% |
(※上記のデータはジュニア留学の数を考慮して算出しています。)
このデータを見たとき、多くの方が最初に驚かれるのが「留学生数の国籍率」と「滞在週数の国籍率」の圧倒的な乖離です。留学生の数で言えばヨーロピアンが多いのですが、滞在週数で見た時に圧倒的にラテンアメリカが多くなります。
ここで聞かれるのが、「ラテンアメリカはダメなんですか?」って言う事ですが、ラテンアメリカの方は日本に対してプラスのイメージを持っている方が多く、尚且つフレンドリーな方も多いのでたくさんの日本人留学生がラテンアメリカに助けられているなと感じています。一度もダメだと思ったことはないし、むしろいてくれた方が助かると感じているので、「どこからその情報がきたのか」「どうしてその発想になっているのか」が全く理解が出来ていないです。
体感で「南米系ばかり」に感じる理由
語学学校の資料で「ヨーロッパからの留学生が46%を占めています!」と書かれていると、キャンパスの半分近くがヨーロッパ人であるかのような印象を受けます。しかし、彼らの「平均通学週数」を見ると、2.1週間しか滞在しません。
ヨーロッパ出身の留学生の多くは、ビザ不要で数時間で移動が出来るので、1〜2週間程度の有給休暇や夏のホリデーの利用、学校の短期休み等で「ホリデーを兼ねて英語学習」や「会社で額学校の終了証が必要で語学学習」、一般の留学生と交わらない「ヨーロピアン向けの留学制度を利用してグループでの英語学習」などを目的として渡航してきます。彼らは超短期で次々と入れ替わっていくため、ある特定の日に校内に滞在している「滞在週数の割合」で計算し直すと、ヨーロッパ人の存在感は全体のわずか13%まで激減します。
一方で、ラテンアメリカ(ブラジル、メキシコ、チリ等)出身の留学生数は38%ですが、平均通学週数は14週間と長期留学がメインとなります。多く留学生が学生ビザを取得して長期滞在するため、一度入学すると数ヶ月〜半年にわたって語学学校に通います。そのため、キャンパス内の「実際の滞在週数の割合」で換算すると、ラテンアメリカの生徒が「67%」という圧倒的に多い事になります。
語学学校のビジネスモデルにおいて、長期留学をされるラテンアメリカやアジアのマーケットはとても重要です。そのため、「南米出身の生徒が全くいない語学学校」というのは、アイルランドの留学業界においては経営上、ほぼ存在し得ないというのが現実です。
さらに体感差を生むもう「スタート時の英語レベル」
「体感としてラテンアメリカ系ばかりに感じる」理由は、滞在週数の長さだけではありません。実は「入学時の英語レベルの差(クラス分け)」が、体感の国籍比率に決定打になっています。
語学学校はアクティビティを用意してくれ、他クラスの留学生との交流よりも自分のクラスの留学生との交流が圧倒的に多いです。

語学学校では初日や事前にレベルチェックテストが行われ、初級(Elementary)から上級(Advanced)までクラスが5段階~9段階で分けられています。ここで大陸ごとに顕著に英語力のレベル差が発生します。

- ヨーロッパ人の英語レベル:初期値が「中上級〜上級(Upper-Intermediate 〜 Advanced)」
ヨーロッパからの留学生は、母国語と英語が近い国があったり、住んでいる地域によっては英語をよく利用するエリアや言語の親和性(ラテン語やゲルマン語系の共通点)から、スタート時点で既に高い英語力を備えていることも少なくありません。そのため、最初から「高いレベルのクラス」に固まりやすい傾向にあります。 - ラテンアメリカ・アジア人の英語レベル:初期値が「初級〜中級(Elementary 〜 Intermediate)」
一方で、ラテンアメリカや日本・韓国などのアジア勢は、英語の文法知識やスピーキング、リスニングの初期段階から学ぶケースが多く、「初級〜中級クラス」からスタートします。
つまり、日本人留学生が語学学校に到着し、平均的な英語レベル(初級〜中級)のクラスに配属された場合、周囲を見渡すとクラスメイトのほとんどがラテンアメリカやアジア出身者が占めていという現象が必然的に発生します。
「ヨーロッパ人が46%いるはずなのに、自分のクラスには1人もいない……」と感じる最大の理由は、彼らが「超短期で帰ってしまうから」というだけでなく、「日本人留学生が入ったクラスよりも上の高いレベルのクラスに初日から入っているから」という英語力にも原因があります。
クラスの雰囲気とコミュニティ作りについて
「留学生の滞在期間」の違いは、単なる数字の問題だけでなく、現地で送ることになる「日々の人間関係」に直結します。過去の留学生にも言われたことが多々ありますが、「ヨーロッパの生徒は多いけど仲良くなる前に帰るから、友達にならなくてもいいかなと思ってきた」や「短期間しかいないし、ヨーロッパの人は行きたい場所もはっきり決まっているから一緒に出掛けにくい」等の声があるのは事実です。その反面、「クリスマスに自宅に招待してもらえた」や「一生の友達が出来ました」という声があるのも事実です。、傾向的にヨーロッパの留学生は短期留学生が多く、その他の国は長期留学生が多いです。
ヨーロッパ人留学生:浅く広い「ホリデー型」の交流
ヨーロッパからの留学生は、1週間〜1ヶ月未満の短期滞在が基本であり、8週間、12週間滞在される方は少数派です。さらに、英語力が高いレベルのクラスに集中しています。 彼らとクラスメイトになると、毎週月曜日には新しい顔ぶれが入り、金曜日には「今までありがとう!帰国するね!」と簡単な送別会が短期間で繰り返されます。
- メリット: 毎週新しい人と出会える刺激がある。最初から高い英語力で議論ができる。
- デメリット: お互いに深く打ち解け、「週末に一緒に旅行に行こう」「放課後カフェでじっくり将来について語り合おう」といった深い信頼関係を築く前に帰国してしまうため、寂しさや物足りなさを感じやすい。
ラテンアメリカ・アジア系留学生:深く強い「コミュニティ型」の交流
一方、ラテンアメリカや日本・韓国などのアジア勢は、学生ビザやワーキングホリデーを利用していて、アイルランドに8カ月~1年間長期滞在される方が多いです。現地で「家探し、仕事探し、ビザ申請」などの生活の基盤をアイルランドに移す方が非常に多いです。
- メリット: 入学した時期や英語レベルが近い仲間同士で強い連帯感が生まれる。同じ「英語学習者」として成長を実感でき、放課後に一緒に勉強したり、アクティビティへの参加、週末の小旅行、海外生活体験、さらには家探しや仕事探しの情報交換など、助け合いながら生き抜く「一生モノの親友」ができやすい。
- デメリット: 初級レベルの段階では、お互いの間違った英語や母国語(スペイン語やポルトガル語など)に頼ってしまうグループができることがあり、国同士のれ団結力が強すぎる場合がある。
学費・授業時間数で全く異なる「留学生の目的」
国籍率やレベル差以上に留学生が知っておくべき「もう一つの重要な軸」が、「語学学校ごとに異なる授業料と授業時間数によって、集まる留学生の『目的』が明確に分かれる」という事実です。
「語学学校」と一括りにしても、その実態は「英語力の向上を目的とした勉強ガチ勢」や「英語学習だけでなく、海外在住経験も重視した留学生」「学生ビザが取得できればそれでいい出稼ぎ組」まで様々です。学校の価格帯やカリキュラムによって、そこに通う生徒たちの「英語学習への熱量」や「渡航目的」は大きく3つのタイプに分類されます。
タイプ①:アカデミック・本格学習重視校(ハイコスト校)
- 特徴: 1週間あたりの授業時間数が長い(週18〜20時間)、アクティビティ数も多め、宿題やテストが多い、学費が高め。
- 集まる留学生の目的: 「本気で英語力を伸ばしたい」「帰国後のキャリアアップにつなげたい」「アイルランドの現地大学・大学院へ進学したい」という学習意欲が非常に高い生徒が集まります。
- 国籍傾向: 会社からの派遣や自国の給付金・奨学金を使って来ている優秀なアジア人、キャリアチェンジを目指すラテンアメリカの社会人層、意識の高い中東・ヨーロッパ層。
- 雰囲気: 授業中の発言が活発で、放課後も図書館で勉強する生徒が多い。英語を本気で伸ばしたい人にとっては「最高の環境」ですが、学費の負担は大きくなります。
タイプ③:ホリデー・ライフスタイル重視校(スタンダード校)
- 特徴: 午前中のみの適度なレッスン(週15時間)、アクティビティは週2~3回
- 国籍傾向: ワーキングホリデー利用者(日本、台湾、韓国、チリ 等)、休暇を利用して来ているヨーロッパの社会人・学生、真面目に勉強がしたいラテンアメリカ
- 集まる留学生の目的: 「異文化体験を楽しみたい」「観光や旅行を楽しみたいけど、英語力も向上させたい」というハイブリッド型
- 雰囲気: アットホームで和気あいあいとした雰囲気。プレッシャーが少なく、留学生活そのものをエンジョイしたい人に適しています。
タイプ③:出稼ぎ・アルバイトメインの格安校(ローコスト校)
- 特徴: 学費が非常に安い、午後のクラスも人気、出席管理が比較的ゆるい。
- 集まる留学生の目的: 「とにかく費用を抑えてアイルランドに滞在したい」「学校の勉強よりも、現地で働いて稼ぐ(出稼ぎ)ことが最優先」という就労目的の生徒が圧倒的多数を占めます。
- 国籍傾向: ビザ取得に際して現地での就労権利が必須となる国々(ラテンアメリカ、アジアが多い傾向)
- 雰囲気: 生徒の関心事は「どこのパブやレストランが時給が良いか」「いかにシフトを増やすか」に集中しがちです。授業が終わると即座にアルバイト先へ向かうため、クラスメイト同士で交流する時間は限定的になります。英語力を伸ばすことよりも「生活費を稼ぎ、無事にビザを更新すること」がメインテーマとなります。
留学生の渡航目的を左右する「アイルランドの学生ビザ制度」
アイルランド留学が「勉強目的」と「出稼ぎ・就労目的」の留学生がはっきりと分かれているのは、アイルランの学生ビザで就労が認められているからです。
アイルランド留学の強み「就労経験」
アイルランドでは、政府認定の語学学校で25週間(約6ヶ月)以上のコースに登録すると、8ヶ月間滞在が出来る学生ビザが発給されます。このビザの最大の特徴は、「週に20時間の就労権利」が付与されていることです
アイルランドの最低賃金は世界的に見ても非常に高く設定されているため、自国の経済情勢が厳しい国にとって、アイルランドは「英語を学びながら現地で高い給与を得られる夢の国」として映ります。そのため、母国の経済事情や為替レートの影響を受けやすい国からの留学生は、自ずと「一番安い格安校」に学費を抑え、放課後や休日にフルタイムでバイトを掛け持ちする「出稼ぎスタイル」を選択することになります。
一方で、ビザの制約を受けず、パスポート一つで自由に移動できるEU圏の生徒たちは、わざわざ働いて生活費を稼ぐ必要がないため、「自分が気に入った街」「評判の良い高品質な学校」をホリデー感覚でピンポイントに選んで渡航してきます。

失敗しない語学学校選びは留学エージェント選びが「カギ」
語学留学において留学エージェントを利用したほうがいい理由は、留学エージェントは通常上記の事をしっかりと把握されているはずです。お申込みする・しないは別として絶対的に留学エージェントに問い合わせする事を推奨しています。弊社でなくても構わないので「アイルランド専門留学エージェント」が一番おすすめです。
アイルランドに渡航されたことがない方や過去の留学生からの意見だけで語学学校を決めるのは至難の業です。語学学校が「英語を教えるプロ」であるならば、留学エージェントは「語学学校選びのプロ」なので、ぜひ留学エージェントにお問い合わせください。その候補に弊社があるとすごく嬉しいのですが、留学エージェントにお問い合わせするときは、「大手留学エージェント、アイルランド専門エージェント、アイルランド留学情報(弊社)」の3社がおすすめです。弊社の情報量はどこよりも多い自信がありますし、情報量の正確性にも自信があります。全ての留学エージェントが「自分の会社が一番いいエージェント」と思って働いています。なので、他社比べたとしても、「情報量、金額面、サポート内容」すべてにおいて自信があるので何も不都合がないですし、お申込みを急がすこともないです。

国籍率の仕組みを理解すれば「満足できる留学」の確率UP
アイルランド留学における国籍率や語学学校の環境は、単純な「ヨーロッパ〇%、南米〇%」という一言で片付けられるものではありません。
- ヨーロッパ人は「超短期のホリデー目的」で去っていき、かつ最初から「高いレベルのクラス」に集中する
- ラテンアメリカやアジアの生徒は「長期の学生ビザ&就労目的」で長く留まり、「初級〜中級クラス」
- 学費と授業時間数によって、集まる留学生の「本気度とライフスタイル」が完全に二極化する。
かなり長くなりましたが、上記の内容を事前に理解しておけば、「パンフレットの数字に騙された!」と後悔することはなくなります。
どの国籍の生徒にも、それぞれの魅力や渡航背景があります。一括りに、「●●の国がいい」や「●●が少ない学校がいい」等と案内が出来るものではありません。同じ国籍でも目的が異なる留学生は、現地での生活スタイルは必ず異なります。学校選びで重要なのは、周囲の環境に流されることなく、自分の目的(英語力アップなのか、現地での生活・労働体験なのか、異文化交流なのか)に合った学校を選ぶことであって、お友達がおすすめする学校が自分にとっていい学校である保証はありません。
弊社ではオンライン相談時にお申込みの有無を聞くことはありませんし、メールでもお申込みの有無を聞くことはありません。恐らく最も営業する気がない留学エージェントかもしれないですが、120%でご対応しています。軽い情報収集目的で構わないので、本当に気軽にお問合せしていただけると嬉しいです。


