本日はヨーロッパの語学学校が採用している英語のレベルについてご案内です。
オーストラリアやアメリカ留学が当てはまるかは分かりませんが、ヨーロッパの語学留学(アイルランド・イギリス・マルタ)はセファールを採用している事が多いです。
セファールはありとあるゆるサイトに書かれていますが、自分がどのレベルに当てはまるのか分からないと言われることが多いです。今回は、留学生の声や私を含めたスタッフの体験談をもとにオンライン相談時にご紹介している内容をコラムにしますが、分かりやすくするために書いている物であり、正式な案内ではありません。
このコラムの中に、ディズニー映画で表現している内容があります。後日コラムを上げる予定で居るので少々お待ちください。
正式な案内は、文部科学省のページをご確認下さい。
SEFR(セファール)とは?
全くセファールの案内をしないわけにもいかないので、簡単に説明すると外国語のレベルをA1~C2までの6段階で評価する外国語の言語レベルの事で、欧州評議会によって2001年に公開されたシステムです。
(※英語だけでなく、あらゆる言語で採用されています。)
A1→A2→B1→B2→C1→C2と表され、A1が初心者、C2が上級者です。後程細かく書きますが、日本人に多いレベルが、A2レベルです。大学受験をしっかりされていた方や進学を語学関係にされていた方はB1レベルが多いです。
補足
語学学校の規模によりますが、レベル分けを細かくされている学校は「+」や「Upper」等を設けている所もあり、A1→A2→A2+、A2 Upper→B1→B1+、B1upper 等でレベル分けしている事もあります。
語学学校により若干言い方が変わる事もありますが、上記で示されている事が多いです。
A1レベル
英語初級レベルで、会話が成り立つことが難しいレベルです。自己紹介は暗記されている方が多いので出来ますが、その後のフリートークが出来ない可能性が高いです。文で話すのが難しく、知っている単語も少ないです。英語を話すと言うよりかは、覚えているフレーズで話すか単語で主張すると言うような印象を受けます。初めて知り合った人と自己紹介をした後に会話に困る方が多く沈黙になり、中学校レベルの英語も忘れていると可能性が高いです。
社会人になってから一切英語の勉強をしていない方や学生時代に外国語を選択していない方、一切英語に触れていない方はこのレベルの場合もあります。中学校英語のレベルを完全に忘れていますと断言されるのであればA1になる事が多い傾向です。
アイルランドの語学学校では、A1レベルが設けてない学校もあり、自動的にA2レベルからスタートする事もあります。
ディズニー映画の理解度
全く理解が出来ない
英語脳
全くなっていない
A2レベル
A1同様、初級レベルです。A1と異なり、簡単な日常英会話をする事は出来ますが、グループで会話するのは難しいと感じると思います。1:1で会話をするときに、初めに何の話をするのか教えてくれれば、何とか会話についていく事が出来ますし、文で会話をする事も出来ます。簡単な英語なら話せるので、買い物をする、レストランで注文する、ホテルでチェックインする等の簡単な日常英会話は成り立つことが多いです。非ネイティブとの会話は少し成り立つが、ネイティブと会話をするのは難しく、相手の方に気を使ってもらわないと会話は成り立たないです。
日常英会話が出来るレベルにはなっているので、自分が聞きたい事を相手に聞く事は出来ますが、なんて言っているのか回答が分からないと言う現象が起きます。逆に相手が何て言っているのかは分かるけど、なんて答えていいのか分からないと言う事も起きます。
中学レベルの英語は半分位覚えています!と言う方であれば、A2レベルに行くかな…と言う印象です。アイルランドでアルバイトをする場合、このレベルだと1人で店番することが難しいのと、意思疎通に不正確さが目立つので仕事探しに苦戦します。
文中にネイティブと会話をするのは難しいと記載しています。こちらの意味は、同じ英語のレベル同士だと、知っている単語や文法が似たり寄ったりなので理解しやすいですが、A2レベルは、まだまだ知らない単語や文法が多いので、ネイティブが使う表現は習っていない事も多く難易度が高く感じる方が多いです。
ディズニー映画の理解度
一部の単語は聞き取れる
英語脳
全くなっていない
B1レベル
英語中級者です。専門、短大、大学で外国語を選択されていた方や大学の受験勉強をしっかりされていた方がこのレベルになる事が多いです。また、社会人になってからご自身で英語の勉強をしていたり、過去に留学経験がある方もこのレベルになる事が多いです。
このレベルは、非ネイティブ同士であれば、グループでの会話も問題なく行えることが多いです。分からない単語があれば違う表現をしたり、似たような単語で表したりすることが出来るようになりますが、スマホで調べる事もチラホラあります。意味が分からなくて聞き直したり、説明をお願いする事もあります。このレベルになった時に、いかに今まで自分が英語を話せていなかったかまた、理解していなかったが分かる様にもなります。
仕事面だと、B1レベルからアルバイトの採用率が上がってきます。ある程度の意思疎通は出来ますし、日常生活で困る事も少なくなってきますが、まだまだ文法のミス等は目立ちますが、相手には伝わります。B1レベルになると、留学未経験者から見たら「短期間なのに英語が喋れて凄い!」と言われる事が出てくると思います。しかし、実際は自分の英語力がまだまだ足りない事を本人は気づいていますが、日本人から見たら喋れる部類に入ると思います。B1レベルから試験対策コースやビジネス英会話コースに参加できる語学学校が多いです。
B1レベルは、ヨーロッパ系の生徒が増える傾向になり、クラスメイトは国際的になります。語弊が内容に補足すると、全ての言語ではないですが、ヨーロッパの言語と英語は似ている所が多いです。文法や単語が近かったり、似たようなアルファベットを使っていたりします。そのため、ヨーロッパからの留学生はB1レベルに行かれる方が多い傾向があります。あくまで傾向なだけであって、A2レベルやB2レベルの生徒も居ます。
ディズニー映画の理解度
50%~70%は理解できる。
もし分からなくても英語字幕を付けたら一気に内容がクリアになる
英語脳
慣れた表現は英語脳になっていると思いますが、初めて話す内容は頭の中で日本語→英語、英語→日本語にしている可能性が高いです。
B2レベル
B1同様、英語中級者レベルです。長期間留学をされる方が目指したいレベルです。ヨーロッパでは、B2レベルあればビジネスで使う事が出来るとされていて、このレベルを目指している方が多いです。B2=ビジネスレベルと認識して頂いて問題なく、ネイティブとの会話で緊張することもなく、英語での会議も出席出来るレベルです。
表現の違いですが、A1~B1の方達は「自分の英語のレベルの話」をしますが、B2以上になると語学学習の話すら出てきません。B2レベルの人がなんで学校行くの?と言う回答は、「英語を勉強するため」と言うよりかは、「英語を上達させたいから」と回答が来ることが多く、認識が変わってきているなと言う印象を受けました。
オンライン相談時に、「語学留学を無駄にしたくない」「留学後の再就職が不安」を言われる方で、意味のある英語のレベルはどこですか?と聞かれたらB2レベルと答えますし、胸を張って「英語を勉強するために留学してました」と言えるレベルです。現地就職や外資系就職を目標としている方は、このレベルを目指しましょう。
ディズニー映画の理解度
字幕がなくても、ディズニー映画は完全に理解できるようになり、海外ドラマや洋画を見ても分かるようになってくるレベルです。しかし、専門的な内容(医療系、法律系等)であればまだまだ分からない事が出てくると思います。それでも、前後の単語や表情等でなんとなく理解することは出来ると思いますし、日常生活でスマホで調べる事も限りなく少ないと思います。
英語脳
日常英会話はほとんど英語脳になっていますが、難しいトピックの時は日本語→英語、英語→日本語になっているときもあると思います。
C1レベル
英語上級者です。日常生活の中で分からない単語はほとんどなく、誰と話しても困る事は基本的にはありません。専門用語も分かる様になり、医療ドラマや法律ドラマを見ても理解をする事が出来るようにもなります。自分の専門外の事でも、説明をする事も出来て、日本人が思っている「英語がペラペラ」はこのレベルを指している事が多いです。
このレベルだと、もう英語の勉強は卒業しても問題ないと思いますし、向上心や趣味が語学学習になっている方はさらに勉強を続け、ネイティブレベルに近づこうとする方も居ます。
ディズニー映画の理解度
字幕がなくても、ディズニー映画は完全に理解できるようになり、海外ドラマや洋画を見ても分かるようになってくるレベルです。専門的な内容(医療系、法律系等)も理解出来る事が多くなります。
英語脳
完全なる英語脳になり、夢も英語になっている位、英語を自分の物として使いこなしています。
C2レベル
C1同様、英語上級者です。このレベルは、ネイティブと同じと思って頂いて問題ありません。英語の学習の話なんて出てこないですし、別次元のレベルで凄いなと思います。C1レベルまでは、海外で住みながら勉強したらたどり着けると思いますが、C2レベルは真剣に勉強しないと辿り着かないので、若者の言葉だと「神ががっている」と言って問題レベルです。
英語の習得時間
結構細かく書いたので、なんとなく今の英語レベルが分かるようになると嬉しいです。次に気になるのがどの程度で語学力があがるのかについてです。語学学校ベースと、実力ベースと二つに分かれます。
語学学校ベース
アイルランド(イギリス・マルタ)の多くの語学学校は、12週間(3か月)を1タームとしていて、12週間で教科書が終わる様にカリュキラムが組まれています。
ワーホリで渡航される場合は、6週間、8週間、1タームの12週間通学される方が多いので、通学期間中にレベルが上がる事は傾向的には少ないです。
語学留学で渡航される場合は、25週間在籍するので、12週間(180時間)が終わると自動的に教科書の内容が終わるのでレベルが上がる事が多いです。
実力ベース
前回のコラムで、アイルランドの長期語学留学の滞在期間のコラムを書きました。この中に、アイルランドの学生ビザは更新が出来ると記載しています。
仮にアイルランドに長期留学するとして、1回目の学校がA2レベルでスタートした場合、6ヵ月間でB1レベルで卒業します。ビザを更新して、次の学校に行く時にはB2レベルからスタートするはずですが、今までビザ更新をしてきた方のお話を聞くと、「もう一度B1レベルからスタートになります。」と回答する方が非常に多いです。
学校ベースで見た時には、2レベルあがるとしても、実際の本人の英語力は25週間(375時間)の学習時間では2レベル上がるのが難しいと判断しています。しかし、全員が1レベルは上がっているので、375時間前後勉強するれば1レベルは上がると判断しています
その為、セファールで考えた時に300時間で1レベルは上がる事が多いと説明していますが、本人の勉強や日常でどれだけ英語を使うか、日本語の使用頻度に左右されるので、あくまで目安として、300時間で1レベルは上がる事が多いとA2~B2までのレベルの方には伝えています。C2レベルは難しいので、C1→C2は難易度がさらに高くなると思います。その逆にA1→A2は、100時間~150時間で上がる可能性はあると伝えています。
英語の習得が早い方も居る!?
これもよく聞かれるのですが、「○○しただけで英語がペラペラに!」「留学せずペラペラに!」は基本的にはないと思ってほしいです。
世の中には得意・不得意があって、「スポーツが得意な人はスポーツ選手に」「歌が上手な人は歌手に」「絵が上手な人は画家に」「頭がずば抜けて良い人がお医者さんや弁護士に」「数字が得意な人が会計士に」と人には得意・不得意があります。もちろん本人が努力しているのは大前提です。
この中に「言語の習得に長けている」と言う方が居ます。この「言語の習得に長けている方」は、驚くスピードで上達します。私はこれを「特殊能力」と呼んでいます。その方達からすると、「○○しただけで英語がペラペラに!」「留学せずペラペラに!」は出来ると思います。分かりやすい所でいうと、ユーチューバー等のインフルエンサーだと思ってください。もちろん本人たちも努力はしているし、見えない所で凄い時間勉強をしているかもしれないです。現実的に言うと、見えない所で凄い時間英語の勉強をし続けるのも特殊能力です。
私は特殊能力を持っていなかったので、地道にコツコツ勉強をし続けて日常英会話は困らないですが、「ペラペラでです」とは全然言えないです。受験勉強と同じで、急激な成長は基本的にはないので、コツコツ勉強するのが一番近道です。1日1時間勉強し続けるだけでもいいのですが、継続がとにかく難しいです。
語学学校に通っただけで英語が話せると思い渡航すると、それは留学の失敗に繋がってしまうかな…と思います。
さいごに
今回のコラムもビックリするほど長くなりました(笑)この2年位IELTSの勉強をし続けているのですが、本当に難しいな…と痛感しています。そこそこ海外生活をしているのに、私は自分の英語力に納得していない部分もあります。一人で勉強するのは限界があると思い、オンラインのIELTSコースを受講しようかと真剣に悩んでいます。今すぐ始めなよ!と言われそうですが、別の個人的目標が来年の夏に終わるので、それが終わり次第、IELTSを真剣に勉強開始する予定です。
もしかしたら、今回の内容は偉そうに感じる方も居るかもしれないのですが、私はアイルランドに来た時は全く英語力がなくて、凄い嫌な思いもしたし辛い思いもたくさんしました。英語の勉強方法を発信している方は居るのですが、その時、その時のレベルについて細かく書いている方や説明している方が居なかったのと、オンライン相談時に現在の英語レベルが分からないと言われる方が多かったので、改めて細かく書いてみました。
冒頭にも書いたように、私だけの意見ではなく他のスタッフや留学生の声も反映させています。それでも全員に当てはまるわけではないですし、弊社が体験談をもとに案内しているので、セファールの公式の案内でもないです。正式な案内は、文部科学省のページをご確認下さい。